虫歯になる流れ
糖の分解・酸の形成
歯の表面に付着した細菌は、糖分に含まれる糖質を分解して、グルカン(多糖類)と呼ばれる、ねばねばした物質を作ります。ここで「ミュータンス菌」という悪役の登場です。ミュータンス菌とは、正式にはストレプトコッカス・ミュータンス菌とも言います。
ではこのミュータンス菌、歯がどういう状態の時に増殖し、逆にどういう状態の時に減少するのでしょうか?これには、摂取した糖の量が関係してきます。砂糖を筆頭とした糖分を必要以上に頻繁に摂取していると、歯の表面に付着しているストレプトコッカス・ミュータンス菌が更に増殖し、あっという間に唾液が酸性へと変化します。
ストレプトコッカス・ミュータンス菌は口内の糖を分解し、酸を出すことによって歯を溶かします。どんなに歯が丈夫でも、長時間にわたって歯を酸と共に浸しておけば、歯はどんどん解けていきます。
ここでPHという専門用語が関連してきます。PHと書いてペーハーと読むのですが、これは物質の酸性、アルカリ性の度合いを示す値のことで、数値が低いほど酸性、高いほどアルカリ性になります。砂糖をはじめ、糖を含んだ物を口に入れることで、プラークが酸を生み出し、口の中のPHは中性から酸性へと傾きます。一般的にはPH7前後が中性になると言われていますが、酸が発生してからPHがおよそ5.5以下になると、皮肉なことに歯が溶け出してしまいます。
一度口内が酸性に傾いても、約40分から50分で元の中性の状態のPHに戻ります。しかし、PHの値が下がる状態が継続すれば、更に歯が解けて穴が開き、苦しい虫歯と悪戦苦闘するハメになるのです。 このように考えてみると、「多量の糖の摂取」→「PHが下がり歯の中が酸性になる」→「歯を溶かす」という一連の流れが出来上がっていることに気づきます。